その後

ＮＳ－１をばらしてキャブ清掃したり。





軽トラをばらしたりして、毎日楽しく遊んでいます。

仕事なんかするわけないじゃないですか。


ところで、ここのところ社長はさっぱり僕に客の車をいじらせて
くれません。「それは私の楽しみです！」とのたまって、嬉しそうに
一人で整備をしているのですが、客にとってはいい迷惑です。

なぜならこの社長。経験豊富で知識も理論も
深く、いいエンジンや足回りを作り上げるのに、
どういうわけだかとんでもないところで素人並みのミスを
連発するのです。
思い込みが激しく、頭ごなしに決めてかかる癖があって、
十分な結果が得られなくても成功したと決め付けるので
後で効果がなかったりしてあちこちで不評を買うこと数多く、
大体９０パーセントぐらいは何かしら失敗してるのです。

それでも残りの１０パーセントがよそよりも良かったりするのです。

それと、こっちのわがまま聞いてくれるというのが大きいでしょう。

まあ、とにかく、この人が車をいじると壊れて帰ってくる可能性が
高いので、社長は奥に引っ込んでいて、辞めてしまった二人の
メカニックが実際の作業をするというのがみんなにとっての
理想的な形だったのです。

それよりも何よりもみんなの頭痛のタネになっているのは、
この人には時間という概念が存在しないのです。
どう考えても丸一日かかる作業を「３時間で終わるから」とか、
平気で言っちゃうのです。
山奥に引っ込んだので、以前にも増して益々その概念は
退行しているようです。
そもそも、工場の移転を全部一人で、たったの一ヶ月で
やるつもりだったのです。間仕切りも、棚作りも配線も
全部やるつもりだったようです。不可能です。

それもこれも全部現実逃避癖から来ているようです。
僕も現実逃避にかけては大いに自信がありますが、
彼の場合、かつて事務の女の子が会社の預金通帳を彼に
見せて厳しい実情を把握させようとしたところ、
「せっかく気分がいいときにそんなもん見せるな！」
とはねつけたそうです。仮にも経営者です。

すでに工場は修理待ちの車でいっぱいだが、彼の工場だし、
彼が一人でやりたいなら、私はもう知らない。
まあ、僕が自分の車を手に入れた暁には工場使って
自分でいじっていいって言質取ったし、僕は場所と
工具さえあれば、アライメント以外のことはがんばれば
自分でできると思うので関係ないといえば関係ないですな。